無垢材の変形

無垢材は乾燥で変形する

門と塀

【無垢材は十分に乾燥を】

天然無垢材は大きく分けて3種類あり、その違いは木材の乾燥の度合いです。 昔から木造で家を建てる大工は、何年間も木材を干し充分に乾燥させてから使っていました。 木は乾燥するとねじれや反りなどの変形を起こすからで、使う前に乾燥しきればねじれや反りなどは抑えられるのです。 昔の住宅は襖や障子で仕切られていただけなので、外で乾燥した程度の木材でもなんなく対応できました。 しかし現代の住宅は高気密・高断熱で密閉されています。 そのような住宅に乾燥していない木材を使うのは、ちょっと危険です。

【変形による不具合】

木材の乾燥による変形で起こる不具合に、建て付け不良があります。 サッシや建具を止めている木材が収縮・変形すると、建具などの枠材に影響して戸が開かなくなったりします。 床が収縮・変形を起こした場合は床に凸凹が発生します。 床が平面でなくなるのでつまづきやすくなって危険です。 またその部分を止めているビスやボンドに押さえ付けられるため、床鳴りや軋みも起きるようになります。 建物の骨組が収縮・変形すると隙間ができることになります。 隙間風が入り込むようになってしまいますので、冷暖房の効率が悪くなってしまいます。

【内部結露】

目に見える変形なら補修や修繕も比較的簡単に出来ますが、乾燥していない木材を使ったことで起きる内部結露は、目に見えにくいのでなかなか気付かない問題となります。 内部結露は壁の中で起こるトラブルで、表面上はすぐに現れません。 乾燥が不十分なままの木材は、室内の暖気と屋外の冷気が壁の中で混ざり合って結露を起こし、この結露から連鎖的に問題が発生します。 結露によりカビが発生すると木を腐らせる腐朽菌を呼びます。 そうすると今度は土台や柱が腐ります。 断熱材は水分によって縮んでしまい、室内は温まらなくなります。 また人によってはアレルギーを起こしてしまいます。